北見山岳会/KAC kitami alpine-club

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大雪山系・烏帽子岳(2072m)

●2015/5/25(月)   ●メンバー yoshida
  前日は強風に見舞われた大雪山系。ロープウエイも運行中止となったが、この日は微風、晴れの好天。車をとばして層雲峡へ向かった。土日は観光客で賑わう層雲峡も平日は人出は少ない。 始発のロープウエイには私を含めて3名の乗車。数分で5合目駅に着く。いつもだとリフトを乗り継いで登山口へと行くのだが、あいにく整備のため運休で仕方なくリフト沿いに30分ほど斜面を登る。

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          リフトは運休のためロープウエイ駅から歩き

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         すっぽり雪に埋まったコース標識


  リフト終点からは黒岳頂上に急斜面が続く。まだ雪がびっしり山肌を覆っている。数日前の登山者の足跡がいっぱいある。ツボ足でもいいが登りやすいのと安全のためアイゼンを装着、ほぼ直登気味に登る。けっこうな急傾斜で初心者にはビビリそうな角度である。この斜面ではこの時期になると滑落者が多い。登りより下りでは腰が引けると足元を滑らせそう。雪が解けるとしっかりした登山道があるが、6月いっぱい雪が残っている。以前、6月末に小学生の子供2人を連れて登山した時、登りも下りもロープで確保したものだった。

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          ニセイカウシュッペ山

 

 さて1時間程度で黒岳頂上へ。頂上からは遠望も利いて周囲の山々が一望できた。「大雪は広くてでっかいな~」と改めて実感する。近いところで北鎮岳、凌雲岳、白雲岳。御鉢平の尾根沿いに北海岳、熊ケ岳。その後ろに旭岳も見える。目指す烏帽子岳も指呼の距離にある。

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           音更山と石狩岳を遠望

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           岩、岩、岩の烏帽子岳

 

 北に目を転じるとニセイカウシュッペ山、屏風岳、武利岳、武華山、東方は音更山、石狩岳などなど。雪渓を登り詰め、ザクザクと砂礫帯を登っていくと砂礫の上に岩が積み重なった岩塊が現れた。まさに烏帽子を形容するような山頂だ。高さは20mほど、ひと登りで頂上だ。岩の間から周囲の山が望まれ展望はよい。時折風が強くなるがしばし展望を楽しむ。午後からまた風が強くなるという予報のため、腰をあげて下山に移る。

 

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                白雲岳

 

 尾根を一つ挟んだ斜面に2人組パーティがいた。戻っているようだ。あとでこの2人パーティに合流したが、戻った訳を聞いて驚いた。「沼の近くに小熊2頭と親熊がいて、撤退しました」・・。尾根筋から私の動きを見ていて、ニアミスしないか気になっていたらしい。まったく熊の気配に気づかなかった。登山者の多い大雪は熊も人慣れしていて、あまり気にはしなかった。いつもは熊避け鈴をつけるがたまたま忘れて「まっ、いいか」で通してしまった。バッタリ出くわせばやはり危ないだろう。

  黒岳に戻った後、急斜面を慎重に下山。ロープウエイ5合目駅に着くと、「〇×△□・・」海外からの観光客で賑わっていた。