北見山岳会/KAC kitami alpine-club

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芦別岳(1726m)~厳冬期冬尾根ピストン~

  • 2014/2/15  ●メンバー Y澤 他会員外1名  
  • タイム 06:15 二十一線と西三号線の交点付近→(からまつ沢林道)→06:39 取付き→10:08 半面山 10:19→11:02 雲峰山西コル、アイゼン装着 11:17→12:03 芦別岳山頂 12:23→12:47 雲峰山西コル、スキー装着13:05→13:33 冬尾根頭→14:38 車止め  ・登り5:48 ・下り2:15 総行動時間8:23(休憩含む) 

 薄暗い中、シールを貼り、黙々と準備する。 6時を過ぎるとスタートの合図のように白み始める。この道路はそのまま、からまつ沢林道へと直結する。行く手前方には濃いブルーに芦別山塊が浮かぶ。 中央に“くの字”状に冬尾根が。 取り付きは緩やかに雪原に分け入るようだ。振り返ると樹間にオレンジ色が拡がり始めた。c490で完全に平坦になり、半面が覗く。

 振り返ると見慣れぬ角度の十勝岳連峰が左端の旭岳から大麓山へと連なる。

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       山部の向こうに旭岳から大麓山まで十勝岳連峰が連なる

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    冬尾根上部を登る。山部の白くなった田畑の向こうに十勝岳連峰

 

 c900付近まで上がると右手に十八線の山群が見えだし、松籟山の三角錐が目を惹く。尾根の頭にのる頃にはどんより空になり、風も強くなってきた。半面直下で風よけしながら、一息つく。木立の向こうにまるで双耳峰のように芦別本峰と雲峰山が並ぶ。 単独の先行者が雲峰にとりついている。 どうやら新道尾根を辿ってきたようだ。 南側には鉢盛山が茹でられて皮がはじけたジャガイモのような姿を見せている。

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    半面直下から。左に芦別本峰、右に雲峰山が双耳峰のように並ぶ     

 

 雲峰にとりつくと強風が絶えず左から叩きつけ、指が痛み出す。左から巻いて南西斜面に入ると様相は一変し、凍った這松が固まりガリガリだ。かなりの急斜で油断したらポントナシベツ川へと一直線だ。コル付近でアイゼンを装着し、本峰へ進む。

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            アイゼンに履き替え、本峰へと向かう

 

 自分の呼吸音も聞こえなくなるような風。10本の指と鼻がちぎれそうに痛い。 一歩一歩ゆっくり大斜面にステップを刻む。なんとか岩稜帯までくると氷りを纏った岩がところどころに剥き出している。サングラスの隙間から容赦なく氷りのクズが飛び込んでくる。

 7時間は覚悟して挑んだが、予定より早く到達することができた。パートナーのおかげである。叩きつける風で目の前のポントナが煙る。恐竜のようなシューパロ、中岳、小天狗、中天狗…通称、 後芦別山群はいつ見ても魅力的だ。一杯の温かいお茶で人心地つき、吸い込まれるように白い斜面を下降した。  <Y>

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                    本峰を下る。左にはユーフレ川が覗く

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              2稜の頭付近に立つ